景観れんがについて
 
 景観れんがとは、自然の中にある”土”を高温(約1,100度前後)で焼成した焼き物れんがをいい、大別して舗装用と組積用に分かれます。
 建築材料の一つとしての景観れんがは、天然石、コンクリート製品に比し、素材が自然の中に存在する”土”を原材料として焼成されたものであり、特に焼成後の焼きムラに代表されるような自然感あふれる雰囲気が醸成されるため、現代の人々が求める”安らぎ”や”癒し”、日常生活における自然との”触れあい”を求めるガーデニング等の最適な製品の一つとなっています。
 
 れんがは地球環境にやさしい素材です。原材料は「土」。そしてれんがのもっている性質そのものが私たちの住環境に対して理想的とも言える建築素材なのです
 
<舗装用れんがの特長と性質
 
1. 透水性 ・・・ 雨天時の快適な歩行を維持するための透水性に優れています。
2. 保水性 ・・・ ヒートアイランド現象の抑制につながる保水性も備えています。
3. 景観性 ・・・ れんがの材料である土の持つ自然色調で、さまざまな空間に調和します。
4. 耐久性 ・・・ 強度に優れ、古い建築物が現存していることからもその耐久性は実証されています。
5. 経済性 ・・・ 部分補修が容易にでき、再利用化が確立されております。
 
<組積れんがの特長と性質>
 
1. 耐久性 ・・・ 中空積みで作られる空間は、風の通り道の役割を果たします。この空間が優れた呼吸機能を発揮し、結露をおこしにくく、躯体の劣化を防ぎます。またれんがを基礎から積み上げた外壁は構造体に負担をかけず、剥離・落下の心配もありません。
2. 経済性 ・・・ れんがを外壁材として積んだ場合、メンテナンスをほとんど必要としません。また優れた断熱性・遮熱性により冷暖房のランニングコストも軽減できます。
3. 景観性 ・・・ れんがを積んだ場合、他の製品では味わうことの出来ないような重量感のある本物の質感を得ることが出来ます。れんがは焼き物なのでいつまでも変色せず、月日の経過とともに味わい深く、むしろ飽きることのない風格を増していきます。
4. 遮音性 ・・・ れんがを中空積み工法で積んだ外壁は遮音性が高く、外部の騒音もシャットアウトし、静かで快適な居住空間を提供します。
5. 調湿性 ・・・ れんがは呼吸します。もともと上質の粘土を使って焼き固められたれんがは、土壁と同じように吸湿性・排湿性があり、自然に湿度を調節し、いやな結露も起こしにくくなります。
6. 断熱性 ・・・ れんがの厚みと中空積みによる空間が、全体としての断熱性を高める役割を果たします。夏は涼しく、冬は暖かく過ごせます。
7. 耐火性 ・・・ 不燃性のれんがは、防火性と遮熱性に優れた材料です。
 
 
 
<歴史的建造物の復元・保存>
 
 平成14年、横浜に赤れんが倉庫がリニュアル・オープンしました。我が国のれんが建築は、100年以上も以前に遡り、江戸時代末期、明治、大正時代にかけて記念館、倉庫、駅舎等において多く造られてきました。今日、このような歴史的建造物の価値が新たに見直され、復元・保存の方向に向かっております。
 
<環境にやさしいれんが>
 
 国土の狭い日本においては、ゴミ廃棄物の処理、ヒートアイランド現象による都市の気温上昇など様々な課題を抱えておりますが、リサイクル製品や透水性・保水性れんが等の開発により、このような課題の解決に取り組んでいます。
 もともとれんがは環境にやさしい建築素材です。原材料が土であることから始まり、れんがが持つ性能(耐久性や吸湿性・経済性・景観性など)自体が自然環境と調和のとれた建築素材なのです。
 
<リサイクル製品の取り組み>
 
 技術の発達に伴い、廃棄物を安全な物に加工し限りある資源を有効利用する為に、徹底した再資源化が求められています。昔から使えるものを捨ててしまうことに対して「もったいない」と言う言葉がありますが、使えるものは捨てずに、手直しして使ったり工夫して作り変え、物を大切にする心が廃棄物やゴミを減らし、地球規模で環境を守ることにつながっていくと考えています。
 
●リサイクルれんがの種類
 
1. 下水汚泥 溶融スラグ混合品
2. 火力発電所の煙突灰(フライアッシュ)混合品
3. 石材切削粉スラッジ混合品
4. 山砂採取後のスラッジ混合品
5. 家庭ゴミ焼却灰の混合品
6. 陶器屑の混合品
 
<透水性と保水性の向上>
 
 水環境の悪化に伴い、雨水の浸透など環境システム形成に期待できる透水性舗装材の重要度も増していると思われます。また、ヒートアイランド現象の抑制のための保水性舗装材の必要性も高まっています。このような性能・機能面の向上による環境問題への貢献にも積極的に取り組んでいます。